ストレッチでケガが増える?やり方の落とし穴

「ストレッチは体に良い」そう思って毎日欠かさず続けている方も多いのではないでしょうか。

しかし、ストレッチの方法を間違えると、かえってケガの原因になってしまうことも。

また、運動前のストレッチの方法で、逆に怪我をしやすくなってしまったり、パフォーマンスが変わることもあります。

今回は、ストレッチの種類ストレッチでケガをしてしまう原因と正しいストレッチの方法について解説します。


ストレッチは大きく分けて2種類

一言で「ストレッチ」と言っても、実は大きく2つの種類に分けられます。

それぞれの特徴を理解し、目的やタイミングに合わせて使い分けることが大切です。

1. 静的ストレッチ(スタティックストレッチ)

これは一般的にイメージするストレッチに一番近いもので、筋肉をゆっくりと伸ばした状態で数十秒間キープするものです。

  • 目的:
    • 柔軟性の向上
    • 関節可動域の拡大
    • 運動後のクールダウン
    • 疲労回復
    • リラックス効果

  • おすすめのタイミング
    • 運動後
    • お風呂上がり
    • 就寝前

2. 動的ストレッチ(ダイナミックストレッチ)

体を動かしながら、筋肉や関節をダイナミックに伸ばすストレッチです。

ラジオ体操や、野球選手やサッカー選手が、試合前に腕や脚を大きく振るような動作がこれにあたります。

  • 目的:
    • 関節可動域の拡大
    • 運動前のウォームアップ

  • おすすめのタイミング
    • 運動前
    • 血行を良くしたい
    • 朝起床後

どんな目的を持ってストレッチをするかで、やり方が違う

ストレッチには、主に大きく2つの目的があります。

それは、「関節の可動域を上げる」ことと、「筋力・筋パワーを発揮させるための準備運動」です。

〈関節の可動域を上げる〉

関節可動域(ROM)とは、関節が曲げたり伸ばしたり、回したりできる角度のことです。

「関節の可動域を上げる」という目的であれば、スタティックストレッチがおすすめ。

方法

  • 15秒〜30秒キープ
  • 息を吐きながら、伸ばして気持ちいいぐらいのところまで伸ばす
  • これを2〜3セット繰り返す

注意

  • 関節の動きを一気に出そうとしてやりすぎると、筋肉の繊維を痛めやすい
  • 高齢の方で関節の動きが悪くなっている人は、角度、強さ、方向に注意!
  • 呼吸を止めずにゆっくり行う

〈筋力・筋パワーを発揮させるための準備運動〉

筋力とは、筋肉が発揮できる力。

筋パワーとは、筋力にスピードが加わったものです。

国内外の論文では、ストレッチの時間やパフォーマンスについての研究が多く出ています。

「準備運動」という目的であれば、ダイナミックストレッチやラジオ体操がおすすめ。

方法

  • 伸ばす時間は15秒以内
  • 息を吐きながら、伸ばして気持ちいいぐらいのところまで伸ばす
  • 全身の筋肉を、いろんな方向に伸ばすと、よりGood

注意

  • 運動前や、試合・本番前などは、伸ばしすぎに注意
  • 60秒以上伸ばすと、筋力と筋パワーの発揮に優位な低下が起きるという論文があります。
  • 呼吸を止めずにゆっくり行う

「間違ったストレッチ」をやっていませんか?

普段やっているストレッチが、実は逆効果になっていることも少なくありません。

特に注意したい間違ったストレッチの例をご紹介します。

1. 力を使って頑張って伸ばそうとしている

「もっと伸ばそう!」と、勢いや反動をつけて、頑張ってグイグイと筋肉を伸ばしていませんか?

その状態で頑張って伸ばそうとすると、筋繊維を傷つけたりする原因になります。

ストレッチの基本は脱力です。

ゆっくりと、無理のない体勢で行うのが理想です。

次項の呼吸と一緒に意識してみましょう。

2. 伸ばしている時に呼吸を止めてしまう

ストレッチで伸ばしている時、無意識に呼吸を止めていませんか?

呼吸を止めてしまうと、力が抜けず、筋肉に力が入りやすくなってしまい、質の良いストレッチができません。

また、呼吸を止めていると血圧が上がりやすくなってしまうので、高血圧の既往がある方は特に注意してください。

ポイント

ゆっくりと息を吸って、反動をつけず、ゆっくりと息を吐きながら、少しずつ伸ばしましょう。

3. 痛みを感じるほど伸ばす

「痛いほうが効いている気がする」と、痛みを我慢してストレッチをする方もいますが、これもNGです。

痛みを感じるということは、筋肉や関節に過度な負担がかかっているサイン。

ケガに直結する可能性が高いです。

ポイント

気持ちいいと感じる範囲で伸ばすのがベストです。決して無理はしないようにしましょう。

4. 運動前に静的ストレッチ(スタティックストレッチ)をする

前述の通り、運動前の準備運動として、スタティックストレッチを行う方も多いですが、これはパフォーマンスを低下させたり、ケガのリスクが高まるという研究結果が出ています。

運動前の筋肉は、瞬発力や筋力を発揮しやすいように適度な収縮している状態です。

その状態で無理に筋肉を伸ばしてしまうと、適度な収縮が伸ばされてしまうため、かえって力が入りにくくなってしまいます。

ポイント

運動前には、15秒以内のスタティックストレッチ、またはダイナミックストレッチで体を温めましょう。


正しいストレッチでケガなく健康な体へ

ストレッチは、正しく行えば柔軟性を高め、血行を促進し、リラックス効果をもたらす、とても良い習慣です。

今回お伝えしたポイントを押さえて、安全に、そして効果的にストレッチを続けていきましょう。

もしバレエや新体操などで「開脚で引っ掛かりがある」というような悩みや、「自分のやり方が正しいか不安」という方は、ぜひご相談ください。

体の状態に合わせたアドバイスを受けることで、怪我をしにくく、パフォーマンスが上がりやすい体づくりにつながります。


施術は、一人一人の症状に合わせた治療が可能です。

是非一度ご相談ください。

また、自身のダンス経験と、西洋医学、東洋医学、スポーツ科学などの視点から、多くのダンス・舞台関係の方々の施術を行なっています。

もちろん、ダンス関係のみではなく、会社員の方々、様々なスポーツをされている方の施術も現在行っております。

詳しくはHPをご確認ください。

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