ダンス経験もあり、日本屈指のダンサーの施術経験がある現役の鍼灸師・整体師である私が、日々多くのアスリートやダンサーのコンディショニングに携わっている視点から、「ルルベアップの安定性」について解説します。
「足首がぐらつく」「甲が出にくい」「ふくらはぎや前ももが、すぐにパンパンになる」
こうした悩みは単なる筋力不足ではなく、足首の構造と身体の使い方に原因があることがほとんどです。
今回は、スポーツ科学や医学的な視点から、ルルベを安定させる3つの要素を簡単にお伝えします。
1. 距骨の安定性
足首の安定を語る上で絶対に外せないのが、足首の関節の要となる「距骨(きょこつ)」です。
バレエやジャズ、コンテンポラリーなどのジャンルを踊っている方は、聞いたことがあると思います。

色が変わっているところが距骨です。
- 足首周りの筋肉の硬さ
ルルベの際、距骨は足首の関節の中で前方に滑り出し、固定される必要があります。足首周りの筋肉の硬さがあると、この距骨がスムーズに動きにくくなります。その結果、体重が乗って安定しやすく軸が取りやすい位置まで動かず、グラつきの原因になります。
- 距骨のズレ
今まで捻挫を繰り返していて捻挫癖がある方、元々の関節がゆるい方(肘や膝などが過伸展の方)は、足首の関節もズレやすい方、ズレている方が多いです。多くは内反(足の裏が内側に向く、かま足)のズレですが、そうなると、体重が外側に乗りやすくなり、ちょっとした段差で足をくじきやすくなったり、足の前や外側の張りが強くなりやすくなります。(これは自分で直すのはなかなか難しい場合がほとんどなので、ご相談ください)
セルフケアのポイント
足の甲の付け根(足首の前面)や、踵の内側、外側、ふくらはぎを優しくマッサージし、癒着をとるイメージで、距骨が動きやすいスペースを作りましょう。
2. 足の指の筋肉の重要性
ふくらはぎ(腓腹筋)の力だけで立とうとするのは、ルルベが不安定になる最大の要因です。
安定したルルベを支えるには、親指をコントロールする長母趾屈筋、親指以外をコントロールするの長趾屈筋などの足の指を動かす、地面を掴む筋肉も大事です。
この筋肉は足首の内くるぶしの後ろを通っており、ここがしっかり機能すると、足首を内側から支えるサポーターの役割をになってくれます。


| 名前 | 役割 | 弱い状態 |
| 長母趾屈筋 | 親指の安定・内側の支え | 小指側に体重が逃げる(かま足) |
| 長趾屈筋 | 親指以外の指の安定 | 指で地面を掴めない |
| 腓骨筋 | 外側のバランス調整 | 足首が外に倒れやすくなる |
3. 「足の裏の3点」で地面を捉える
東洋医学や整体の観点では、重心の位置を「湧泉(ゆうせん)」というツボのあたりを目安にすると分かりやすいかもしれません。

以下の3点を均等に踏む意識を持ちましょう。
- 母趾球(親指の付け根)
- 小趾球(小指の付け根)
- かかとの中心(の真下)
治療の現場でも使う、安定性を高めるエクササイズ
普段施術をする中でも使う、簡単なトレーニングをご紹介します。
【タオルギャザー&リフト】
- 床にタオルを敷き、イスに座り(膝は90度ぐらい)、足の指を使ってタオルを掴みます。
その際、かかとは地面につけたままにしましょう。- タオルを指で掴んだまま、つま先を上に持ち上げて、床から浮かせます。
(かかとは地面につけたまま、背屈する。)- 足裏の筋肉(足底筋群)を刺激することで、ルルベ時に使う筋肉が活性化されます。
土台が変われば踊りが変わる
ルルベの安定性は、力ずくでキープするものではなく、骨格の整合性とインナーマッスルの連動によって生まれるものです。
もし、セルフケアをしても「足首の詰まり感が取れない」「グラつきやすく安定しない」という場合は、足首のズレが原因かもしれません。その際は、専門的な整体や鍼灸での調整も視野に入れましょう。
鍼灸治療、整体施術は、一人一人の症状に合わせた施術が可能です。
是非一度ご相談ください。
また、自身のダンス経験と、西洋医学、東洋医学、スポーツ科学などの視点から、多くのダンス・舞台関係の方々の施術を行なっています。
もちろん、ダンス関係のみではなく、会社員の方々、様々なスポーツをされている方の施術も現在行っております。
詳しくはHPをご確認ください。