バレエ、ジャズ、コンテンポラリー、タップ、社交ダンスなどを踊っているみなさん、
「プリエの時に膝が内側に入る」
「ターンアウトを頑張ると膝がねじれる感じがする」
そんな悩みはありませんか?
日々多くのダンサーさんを施術している中で、多い相談の一つが「膝の痛みや違和感」です。
また、靭帯損傷や、半月板損傷など、たくさんの怪我の事例があります。
今回は、膝の故障の原因としてとても多い「ニーイン・トゥーアウト(Knee-in / Toe-out)」のメカニズムと、予防法を専門家の視点で解説します。
1. 膝を壊す原因の一つ「ニーイン・トゥーアウト」とは?
ダンスの基本動作である「プリエ」や「着地」の際、膝が内側を向き(ニーイン)、つま先が外側を向く(トゥーアウト)状態を指します。
本来、膝関節は「曲げる・伸ばす」という一方向の動きに強い構造ですが、この足の骨たちに、ねじれが生じると以下のようなリスクが高まります。
- 膝の内側が引き伸ばされ、内側側副靭帯の損傷などにつながる
- ねじれのストレスで半月板(クッションの役割)が摩耗しやすい。
- 膝の曲げ伸ばしの時、膝のお皿の軌道がズレたり、動きの悪さで痛みが出る。
- 前ももの筋肉や内側の筋肉に負担がかかりやすく、ハムストリングス(もも裏)の力が発揮しにくくなる。
など、直接怪我につながるものもあれば、長期的に見て、体の使い方の問題で怪我につながることもたくさんあります。
2. なぜ「ねじれ」が起きてしまうのか?
原因の多くは「足先だけ」でターンアウト(外旋)しようとすることにあります。
- 股関節の外旋の動きが硬い場合、股関節から回せない分を、膝のねじれで補ってしまう。
- 内転筋・臀筋の筋力不足、または外旋の動きが苦手な場合、 脚を外にキープする筋力が足りず(動かせず)、股関節外旋の可動域が出ない結果、膝のねじれでごまかしてしまう。
- 土踏まずのアーチが潰れると、連動してスネの骨が内側に倒れ込み、ニーインに入りやすくなる。
多いのは、やはり股関節周りの可動域と、コントロール能力です。
ただ、足首周りのズレや、足底アーチの低下(扁平足)の人もとても多いです。
まずは、自分が何が原因でねじれがあるのかを知ることが大切です。
(自己流などではなく、身体の治療家に見てもらうのが一番おすすめ!)
3. 鍼灸師・整体師が推奨する「膝を守る」3つの予防法
① 膝のお皿と向きと、つま先の向きを再認識する
前述の通り、膝の痛みは膝そのものではなく、股関節に原因があることがほとんどです。
鏡の前で自然に足踏みをしながら、膝が上がる時に膝のお皿と、足の人差し指が、常に同じ方向を向いているかチェックしましょう。
また、足踏みをした後に自然に立った時、膝のお皿と足の人差し指が、だいたい同じ方向に向いているかも確認してみましょう。
② 臀部(お尻)のインナーマッスルを活性化
お尻の深層部にある「深層外旋六筋」という筋肉が働くと、膝を正しい位置に戻しやすくなります。
簡単エクササイズ:クラムシェル
やり方
横向きに寝て両膝を軽く曲げ、かかとをつけたまま、上の膝をゆっくり開き、5〜10秒キープ。
その後上の膝は閉じます。
骨盤はなるべく前後に開かないように気をつけましょう。
以下のサイトに、分かりやすい画像が載っています。
参考:https://tarzanweb.jp/post-279378 / TARZAN 【歪みタイプ別】歩きが楽になる、股関節の可動域アップ術
③ セルフお灸・マッサージで血流改善
膝周りの筋肉が硬くなると、関節の遊び(ゆとり)がなくなり痛みが強くなります。
血海(けっかい)や足三里(あしさんり)というツボは、膝周りの血流を促し、疲労回復に効果的です。
市販のお灸の場合、熱さを感じたら取りましょう。
治療院に、お灸の火傷の跡をつけて来院する方がたくさんいらっしゃいます。
マッサージの場合は、気持ちいい〜痛気持ちいいぐらいの強さで、5〜10秒ほど押して場所を変えてまた押す、というような感じで行うのがおすすめです。
長く踊り続けるために…
「少し痛いけれど、本番が近いから…」と無理を重ねると、取り返しのつかない怪我につながることもあります。
少し前まで、「ダンサーは痛みがあっても踊るのが当たり前」、「怪我をしているのがカッコいい」というような風潮があったのも事実です。
ようやく、近年では、ダンサーもしっかりとしたトレーニングやケアを受けるようになりました。
その結果、不要な怪我が減り、レベルの高いパフォーマンスにつながっているのだと思います。
「ダンサーは繊細なアスリート」です。
こちらに関しては、以前のブログに載せてありますので、是非。
自分の体の忠告にいち早く気づき、早めに対処していきましょう!
鍼灸治療、整体施術は、一人一人の症状に合わせた施術が可能です。
是非一度ご相談ください。
また、自身のダンス経験と、西洋医学、東洋医学、スポーツ科学などの視点から、多くのダンス・舞台関係の方々の施術を行なっています。
もちろん、ダンス関係のみではなく、会社員の方々、様々なスポーツをされている方の施術も現在行っております。
詳しくはHPをご確認ください。